相続財産の分割とは何をする手続きか
相続財産の分割とは、亡くなった方が残した財産を相続人同士でどのように分けるかを決める手続きです。現金や預貯金だけでなく、不動産や株式、車、借金なども対象になります。まず行うべきことは、相続人の確定と財産の洗い出しです。戸籍を確認して誰が相続人になるのかを明確にし、通帳や登記簿、契約書などを確認して財産の全体像を把握します。ここを曖昧にしたまま話し合いを進めると、後からトラブルになることが多いです。
相続には遺言書がある場合と、ない場合があります。遺言書があれば原則その内容に従って分割しますが、内容に不明点があったり、相続人全員が合意すれば別の分け方をすることも可能です。遺言書がない場合は、法律で定められた法定相続分を目安に、相続人全員で話し合いを行います。この話し合いを遺産分割協議と呼びます。
相続財産に含まれる主なもの
相続財産には、次のようなものが含まれます。
・預貯金や現金
・土地や建物などの不動産
・株式、投資信託、保険金
・自動車や貴金属、家具
・住宅ローンや借入金などの負債
プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続の対象になる点は重要です。全体を把握したうえで、分割方法を考える必要があります。
主な相続財産の分割方法
相続財産の分割方法にはいくつかの種類があり、財産の内容や相続人の事情によって適した方法が異なります。代表的な方法を理解しておくと、話し合いがスムーズになります。
現物分割と代償分割
現物分割とは、不動産は長男、預貯金は次男というように、財産をそのままの形で分ける方法です。手続きが比較的シンプルで分かりやすい反面、価値に差が出やすい点がデメリットです。
代償分割は、特定の相続人が不動産などを取得し、その代わりに他の相続人へ現金を支払ってバランスを取る方法です。自宅を売らずに相続したい場合に向いていますが、支払う資金の準備が必要になります。
換価分割と共有分割
換価分割は、不動産や高額な財産を売却して現金化し、そのお金を分ける方法です。公平に分けやすい一方、思い入れのある財産を手放すことになります。
共有分割は、一つの財産を複数人で共有する方法です。すぐに分けられない場合に選ばれますが、将来の売却や管理で意見が分かれやすく、長期的なトラブルにつながることもあります。
トラブルを防ぐための進め方と注意点
相続財産の分割では、感情的な対立が起こりやすいため、冷静な進め方が大切です。まずは相続人全員で情報を共有し、財産の内容や評価額を透明にします。そのうえで、法定相続分を参考にしながら、無理のない分け方を話し合います。
話し合いがまとまったら、内容を遺産分割協議書として書面に残します。これがあることで、不動産の名義変更や銀行手続きがスムーズに進みます。
専門家に相談するメリット
相続は法律や税金が関わるため、判断を誤ると損をしてしまうこともあります。次のような場合は、専門家への相談がおすすめです。
・不動産が多く評価が難しい
・相続人同士で意見が合わない
・相続税の申告が必要になりそう
・遺言書の内容に不明点がある
司法書士や税理士、弁護士に相談することで、手続きの負担を減らし、安心して相続財産の分割を進めることができます。