会社設立は手続きとして法的に決して専門家に依頼しなければできないことではありませんが、 個々の留意点を検討せずに会社を設立してしまうと設立後に各場面で支障をきたしてしまう可能性があります。
そこで設立時に検討すべき項目についてご紹介致します。各項目について事前に検討することで、設立後に失敗しない会社設立をすることができます。
会社設立は、法人として活動するための最初の手続きであるとともに設立後の運営にも影響を与える決定事項を多く含みます。 設立手続きに入る前に、確認しておきましょう。
税金の負担は同じ
税金の負担については、株式会社と合同会社では法律上まったく同じ扱いを受けることになります。
どちらも設立後には事業から生じた利益に対して法人税が課税され、社長に対して役員報酬を支払っている場合には社長個人の所得税も合わせて納付する必要があります。
事業から生じる課税売上が一定額を超える場合には、設立後2年が経過してから消費税の納税義務が生じることも株式会社と合同会社で同じ扱いとなります。
有限会社は作れない
2006年に会社法という新しい法律が施行されて以降は、新規に設立することができる法人は株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4種類のみとなりました。
それ以前は設立することができた有限会社という組織は、新規に設立することはできなくなっています。
すでに存在している有限会社については、会社名称はそのまま使用することができる一方で、税金計算や組織運営のルールについては株式会社に準ずるものとして扱われることになります。
合同会社は信頼性が低い?
合同会社という制度はまだ始まってまもないものなので、日頃から事業経営に関する仕事をしていない人からすると「合同会社って何?なにか怪しい組織なの?」というイメージを持たれるケースもあるかもしれません。
有名企業でも合同会社を選択しているところは増えていますが、株式会社に比べると知名度はまだまだ低いというのが実際のところです。
一方で、銀行融資の審査を受けるような場合には、資本金の金額や事業の状況から融資の可否が判断されるのが普通となりますので、一般的に言われるほど株式会社と合同会社の違いは大きく無いと思われます。
株式会社と合同会社のいずれを選択するべきかについては、事業を法人化する意味(事業イメージをアップさせるためなのか、単純に税金対策なのかなど)を明確にした上で判断するのが大切となります。