遺産を相続したときに課税される相続税は高額になるイメージが強く、
いったいどれぐらいかかるのか不安に思われている人は多いのではないでしょうか。
しかし、相続税がどのような場合に課税されてどのように税額計算するかを理解すれば、
相続税に対する漠然とした不安は軽減されるでしょう。
今回も前回に引き続き、相続税について簡単にご紹介いたします。
【いわゆる名義預金は要注意】
財産に相続税が課税されるかどうかは、財産の名義にかかわらず、
実質的に誰が財産を管理していたのか、また誰がどのようにして財産を手に入れたかに基づいて判断されます。
なので、妻や子供・孫の名義の預貯金も、実質的に被相続人のものとして相続税が課税される場合があります。
たとえば、次のようなケースはいわゆる名義預金として課税される可能性が高くなります。
▶子供・孫が成人したときに渡してあげようと、子供・孫名義の口座に貯蓄していた。
▶相続税対策の一環として、妻名義の口座に自分の貯金を移していた。
▶妻が専業主婦であるにもかかわらず、妻名義の口座の残高が夫名義の口座より多い。
【こんなものも課税対象に】
課税対象になる財産は、形があって目に見えるものだけとは限りません。
たとえば、次のようなものも相続税の課税対象になります。
▶営業権、特許権、著作権などの権利
▶生命保険契約に関する権利
被相続人が契約していた生命保険の契約者を変更した場合は、
生命保険契約に関する権利として相続税の課税対象になります。
被相続人が死亡した時点で解約した場合の解約返戻金に基づいて税額を計算します。
相続税が課税されない財産
被相続人が所有していたものでも、次のものには相続税は課税されません。
▶墓地・墓石・仏壇・仏具・仏像・神棚・庭内神し
▶相続人が国や地方公共団体などに寄付した相続財産
日常的に礼拝の対象としている仏像や仏具などに相続税は課税されません。
しかし、礼拝の対象とするには不自然なほどに高価な場合や、
骨董品としての価値がある場合は課税の対象になることがあります。
金の仏像や仏具の購入が節税対策になるという話を聞くこともありますが、節税効果はないといってよいでしょう。
死亡保険金・死亡退職金には下記のとおり非課税限度額があり、非課税限度額を超える部分について相続税が課税されます。
▶死亡保険金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数
▶死亡退職金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数