石井重洋税理士事務所

ー相続税の申告方法とは?初心者でもわかる流れと注意点ー

 

 

相続税の申告方法をやさしく解説

大切な家族を亡くした後、遺産を相続する際に関わってくるのが「相続税の申告」です。初めて経験する方にとっては、専門用語や手続きの複雑さに戸惑うことも多いかもしれません。相続税は一定の基礎控除額を超える財産に対して発生し、期限内に申告・納税を行う必要があります。ここでは、相続税の申告方法について、初めての方でも理解できるように流れや注意点を詳しくご紹介します。

申告が必要かどうかの確認

まずは、自分に相続税の申告義務があるかを確認することが第一ステップです。相続税には「基礎控除」があり、以下の計算式で求められます。

・基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が2人であれば、基礎控除額は4,200万円になります。この金額以下の遺産であれば、相続税の申告は不要です。遺産の総額には現金や不動産、株式などすべての資産が含まれるため、正確に把握する必要があります。

相続財産の調査と評価

申告が必要な場合、次に行うのが「財産の調査と評価」です。故人が所有していた財産の種類や価値を調べ、相続税の計算に用いる評価額を算出します。

・不動産:固定資産税評価額や路線価で評価
・預貯金:死亡日時点の残高
・株式:死亡日時点の時価
・負債や葬儀費用:控除対象になるため正確に把握

これらを基に、課税対象となる財産の合計額を算出し、税額を計算します。

財産の評価が終わったら、次に申告書の作成と提出準備に移ります。

申告書の作成と提出方法

相続税の申告書は、被相続人の死亡日から10か月以内に提出する必要があります。税務署に提出する書類は以下の通りです。

・相続税の申告書(第1表~第15表など)
・遺産分割協議書の写し
・戸籍謄本、住民票の除票
・財産評価に関する資料(不動産の登記簿謄本や預金残高証明書など)

書類の準備は煩雑なため、不明点がある場合は税理士に相談するのも一つの手です。提出先は、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署になります。

相続税の納付方法と分割払い

申告とあわせて相続税の納付も必要です。基本的には現金一括納付ですが、次のような方法も選択できます。

・延納:分割して最大20年まで支払いが可能(利子税が発生)
・物納:不動産などを使って納税(条件が厳しい)

納付期限も申告と同じく「死亡から10か月以内」です。延納や物納を希望する場合は、別途申請書を提出する必要があります。

まとめ

相続税の申告方法は、基礎控除の確認から財産評価、申告書作成、納税まで一連の流れがあります。特に提出期限や必要書類を把握していないと、延滞税や加算税が課せられる可能性があるため注意が必要です。専門家の力を借りながら、早めに準備を進めることがスムーズな申告のコツです。相続の場面に直面したときは、慌てずに一つずつ確認しながら対応していきましょう。