石井重洋税理士事務所

起業前に必ず確認しておくべきこと! 11

許認可について

医療法人や社会福祉法人といった特殊な内容の事業を行う法人を設立する際には、法人設立と前後して、所轄官庁(お役所)の許認可を受ける必要があります。

許認可が必要な事業を開始する場合、一般的な法人設立の手続きよりも複雑になりますので、必要に応じて専門家の支援を受けるようにしましょう。

 

法人設立手続きで注意しておくべきポイントは?

許認可を受けることを前提として法人設立の手続きを進めて行く場合には、定款の作成内容に注意しておく必要があります。

法人は定款に記載されている事業目的の範囲内でのみ事業活動を行うことができますから、もし定款記載の事業目的の内容が許認可を受けようとする事業内容と合致しない場合には、許認可が認められない可能性があるためです。

一般的な法人設立の場合には、事業目的はかなり幅を持たせた内容にすることが多いですが、許認可を受けた後に行う事業が明確に決まっている場合には具体的な事業内容を記載することが望ましいです。

法人設立の手続きが完了した後になってから事業目的を変更する必要が生じてしまうと登録免許税が追加で発生することになってしまいますから注意するようにしましょう。

 

許認可を受けるに適した事業内容を整える

書類上の要件のみでなく、許認可を受けたい事業を行える実態を備えておくことも重要です。

資格を満たした人材を事業所内で常時雇用する契約を進める他に事業を継続的に行なって行くだけの財産的な基礎を確保するなど、役所による審査に耐えうるだけの体制を順次整えていきましょう。

たとえば建設業(一般建設業)の許可申請の場合、人的要件として10年以上の実務経験のある人や役所の告示に基づく国家資格者を常時雇用するなどの条件があります。

また、自己資本として500万円以上の資金があるか、融資によって資金調達できる事業者であることなどが財産的な要件として求められます。

 

 

事業開始にあたって役所の許認可が必要となる事業と、法人設立にあたって注意しておくべきポイントについてご説明いたしました。

許認可が出るまでには申請から半年から1年近い時間がかかることもありますので、その間に同時進行で事業の準備(事業所建物の着工や、融資審査手続きなど)を進めて行くことが大切になります。

もし法人設立の手続きに不備があると、予定通りのスケジュールで許認可を受けることができなくなってしまう可能性がありますから、許認可を前提として法人設立については司法書士などの専門家の支援を受けるようにしましょう。