石井重洋税理士事務所

「相続税」の知識を簡単にご紹介! 14

遺産を相続したときに課税される相続税は高額になるイメージが強く、いったいどれぐらいかかるのか不安に思われている人は多いのではないでしょうか。

しかし、相続税がどのような場合に課税されてどのように税額計算するかを理解すれば、相続税に対する漠然とした不安は軽減されるでしょう。

今回も前回に引き続き、相続税について簡単にご紹介いたします。

 

相続税の税額控除には次のようなものがあり、下記の順番で控除していきます。途中で税額が0になった場合は、それ以上控除することができません。

  1. 贈与税額控除
  2. 配偶者の税額軽減
  3. 未成年者控除
  4. 障害者控除
  5. 相次相続控除
  6. 外国税額控除

 

・贈与税額控除

過去3年以内に生前贈与された財産で相続税の課税対象に加算したものがある場合、その財産について納めた贈与税を控除します。

 

・配偶者の税額軽減

配偶者が相続した財産のうち、1億6,000万円または法定相続分までの部分については相続税が課税されません。

 

・未成年者控除

相続人が未成年である場合は未成年者の税額控除が適用できます。

控除額は相続開始から20歳になるまでの年数(1年未満の期間は切り上げ)×10万円です。未成年者の税額から控除しきれない場合は、扶養義務者の税額から差し引くことが可能です。

 

・障害者控除

相続人が障害者である場合は、障害者の税額控除が適用できます。障害の程度によって控除額は下記のとおり定められています。

一般障害者:相続開始から85歳になるまでの年数×10万円

特別障害者:相続開始から85歳になるまでの年数×20万円

(いずれも1年未満の期間は切り上げ)

障害者の税額から控除しきれない場合には、扶養義務者の税額から差し引くことができます。

 

【トラブルがあったときの対処方法】

相続税の申告で起こりがちなトラブルの対処方法をご紹介します。主なトラブルとして次の2つがあげられます。

・相続税の申告が期限に間に合わない場合

・税額計算を間違えた場合

 

相続税の申告が期限に間に合わない場合

相続税の申告期限は被相続人の死亡から10か月以内ですが、次のような事情から申告が期限に間に合わないこともあります。

・財産の評価に時間がかかる

・遺産の分割(誰がどの財産を引き継ぐか)が決まらない

相続税の申告が期限に間に合わないときは、仮の計算でもいいので期限内に申告・納税をする必要があります。

財産の評価に時間がかかっている場合は、概算で相続税を少し多めに申告します。遺産の分割が決まらない場合は、法定相続分で分割したことにして申告します。いずれの場合もあとで評価額や遺産分割が決まれば申告をやり直します。