遺産を相続したときに課税される相続税は高額になるイメージが強く、いったいどれぐらいかかるのか不安に思われている人は多いのではないでしょうか。
しかし、相続税がどのような場合に課税されてどのように税額計算するかを理解すれば、相続税に対する漠然とした不安は軽減されるでしょう。
今回も前回に引き続き、相続税について簡単にご紹介いたします。
相続税の税額計算の方法
次に相続税の税額計算の方法についてご紹介致します。相続税の税額は「遺産総額が〇〇円であれば〇〇円」というように単純に決まるものではありません。遺産総額が同じであっても遺産の内訳や家族構成が異なれば相続税の税額は変わります。
シミュレーションソフトを使って税額計算
ひとまず相続税がどれぐらいかかるのか目安を知りたい場合は、相続税のシュミレーションソフトなどを利用して概算の税額を求めることが可能です。フォームに遺産総額や配偶者など相続人に関する情報を入力すると、概算の税額が計算されます。
シミュレーションソフトで計算される税額は、相続人全員で支払う相続税がどれぐらいかかるか、もしくは相続税がかからないかの目安となるものです。実際に申告するときや正確なシミュレーションが必要な場合は、次の項目以降でお伝えする正確な方法で税額を計算する必要があります。
相続税の正確な計算方法
相続税は相続人が受け取った遺産の額に基づいて課税されますが、課税を公平にするため、一度、遺産を法定相続分で分けたと仮定して相続税の総額を計算します。相続税の総額を各人が受け取った遺産の割合で分けて税額控除などをしたものが、実際の納付税額となります。
【例】
・被相続人Aさん
・法定相続人は妻、長男、次男の3人
・法定相続分は妻1/2、長男1/4、次男1/4
・相続財産は下記のとおり
▶︎自宅(相続税評価額は土地9,000万円、家屋2,000万円)
▶︎土地の面積は250㎡で小規模宅地等の特例の適用要件を満たしている
▶︎預貯金5,000万円(経過利息はない)
▶︎借入金500万円
・自宅は妻が相続し、預貯金は長男が相続した。
・借入金は長男が返済する。
・Aさんは自身を被保険者にした生命保険に加入していた。
・死亡保険金5,000万円は次男が受け取った。
・葬式費用220万円(通夜・本葬200万円、初七日法要20万円)は妻が負担した。