個人事業主として軌道に乗ってくると「そろそろ法人化した方が良いのでは」と考え始める方も多いでしょう。
理由は法人化することにより税金対策ができるからです。
この記事では、法人化による節税メリットや個人事業主が法人化するとメリットがあるタイミングについて解説します。
■法人化することによってできる税金対策
*給与所得控除を利用できる
個人事業主は売上から経費を差し引いた金額が所得となりますが、
法人の社長に就任することで会社からの役員報酬に変わります。
つまり、法人化により事業所得者から給与所得者になります。
給与所得者の場合、「給与所得控除」として一定額を控除して所得税が計算され、
給与所得控除は事業所得における経費となります。
*家族に役員報酬を支払い所得税の税率を抑えられる
法人化することにより家族に役員報酬を支払い所得分散することができます。
社長1人で役員報酬の全額を受け取るのではなく、
家族に分散すると所得税の税率を抑えながら給与所得控除を受けられます。
*2年間消費税を支払わなくて済む
法人の消費税のルールは「2期前の売り上げが1,000万円以上であれば
消費税の納税義務が生じる」となっています。
つまり、原則として設立1期目と2期目は「2期前」の売り上げがまだない為、
消費税の納税義務がありません。
個人事業主ですでに売り上げが1,000万円以上ある場合、
法人化することにより2年分の消費税が免税になるという大きなメリットがあります。
■法人化した方が有利になる所得金額の目安
ではどれくらいの所得に達したら法人化した方が良いのでしょうか。
個人事業主に課税される所得税の税率は5~45%で、所得が増えるにつれて税率が高くなっていく仕組みです。
一方で法人の場合、法人税の税率は利益800万円以下の場合は15%、それ以上の場合は23.2%です。
さらに事業税、法人住民税を考慮すると法人の税率は36%程度となります。
所得税の税率は900万円を超えると33%かかりますので、
基本的には利益が800~900万円程度に達したときが法人化を検討するタイミングといえるでしょう。
■事業規模が大きくなるほど法人化による節税メリットが大きくなる
個人事業主が法人化することによる節税メリットをご紹介しました。
事業規模が大きくなるほど事業者にとって法人化による節税メリットが大きくなりますので、
利益が800万円を超えてきたら法人化の検討をすると良いでしょう。
また、法人の税金対策などについては専門知識を持つ税理士に依頼して
サポートを受けると良いので、一度相談しておくと安心です。