普通預金の利息には税金がかかります。
そこでタンス預金が税金対策、相続税対策に有効なのでは?と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言えばタンス預金はおすすめできません。
ここでは銀行預金にかかる税金やタンス預金で注意することを解説します。
◼︎銀行預金にかかる税金
*預金利息にかかる税金
銀行預金は課税の対象ですが、預金そのものに税金がかかるわけではありません。
預金につく利息に対して税金がかかります。
具体的には受取利息に対して
所得税及び復興特別所得税(国税)15.315%+住民税(地方税)5%=20.315%が課税されます。
*税金は源泉分離課税で徴収される
預金利息にかかる税金は源泉分離課税で徴収されますので、口座に反映されるときには税金が差し引かれて入金されます。
◼︎タンス預金のメリット
預金利息に掛かる20%の税金は高いので、ある程度まとまった金額の現金を銀行に預けるのではなく、
家に保管した方がマシなのでは?と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
預金額の1000万円を超える分をタンス預金にしておくことで万が一銀行が破綻した場合でも資産を守ることができたり、
家族に知られずに預金することができます。
いつでも自由にお金を使うことが出来る点も大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、メリット以上に注意しなければならないことがありますので以下にご紹介します。
◼︎タンス預金のデメリット
*盗難リスク・災害で焼失するリスクがある
タンス預金は空き巣等による盗難リスクがあります。
また、火災や地震、水害などで消失するリスクもあります。
火災保険や地震保険では現金は保障対象外となっており、なくなってしまったら戻ってきません。
*相続トラブルの原因になる
タンス預金は存在を証明するものが何もありません。
そのため、相続発生時に誰かが持ち去ったとしても「知らない」と言われてしまえばそれまでです。
また、遺産分割協議が終わった後でタンス預金が出てきてしまうと遺産分割がやり直しとなってしまい、
相続人に負担を強いてしまうことになります。
◼︎タンス預金は相続税対策には使えない
タンス預金は相続税の対象となるため、申告の必要があります。
もし、タンス預金を申告しなかった場合、税務署にばれる可能性が高いため、やめておきましょう。
税務署は預金や投資資金の口座の出入り情報をチェックして金融資産を調査します。
被相続人が生前にタンス預金で隠していた現金も、お金の出入りを見ればわかってしまうことがあります。
相続税を正しく申告していないと重加算税や延滞金などの税金を課される可能性がありますので注意が必要です。
◼︎高額のタンス預金は避けましょう
タンス預金は税金対策の方法としてはあまりおすすめできません。
とはいえ、緊急で使うお金など手元にある程度の現金を置いておいた方が安心な場合もあります。
その分としてタンス預金は数十万円程度にとどめておき、基本的には金融機関に預けておきましょう。