有姿除却は決算整理仕訳で税金対策
有姿除却はもうその固定資産を使う事がなくなった時に用いる決算整理仕訳の一つです。
なぜこの有姿除却が用いられるのかと言うと理由は大きく分けて下記の2つです
①その固定資産を使うことはないけれども固定資産を処分するのにお金がかかる。
②減価償却費を計上し尽くしてしまいもう減価償却費を計上できない。
要するに持っていても何も価値のない固定資産です。
減価償却費は簿記の解る人ならば理解してもらえるでしょうがとても大きな経費です。
ただこの減価償却費と言うのは年々計上額が減少していきます。
そしてその頃には固定資産の価値も当然なくなっています。
しかも建物や構築物は処分するだけでも相当のお金がかかります。
それは「取り壊し費用」です。
そのお金がもったいないと思う事業主が
税理士と相談して「有姿除却」と言うのを決算整理仕訳として計上するのです。
ではどのような要件があるのでしょうか。
一つ目は、固定資産をもう再使用しないという事です。
建物ならば放置してしまい、当然人に貸すという事も出来ません。
よく空き家を見ますがあの中のどれかは「有姿除却」されたものでしょう。
「有姿除却」するもう一つのメリットは、「固定資産税」が発生しなくなるという事です。
毎年1月に「償却資産税申告書」と言うのを役所に提出するのですが
「有姿除却」した分に関してはもう固定資産として計上されていないので
「固定資産税」は発生しません。
そしてこの仕訳は税理士が決算整理仕訳を計上します。
なぜならば基本的に減価償却費の計算は税理士が行うからです。
税理士はこのような仕訳を計上します。
建物:帳簿価格5,000,000円を有姿除却した場合
借方/固定資産除却損:貸方/建物 5,000,000
こうすることで5,000,000円分経費が増えます。
その結果支払う税金も減らせるでしょう。
あくまでもこれは一例ですが、5,000,000円くらいになると減価償却費の金額はかなり下がります。
どうせ再使用しないならば
5,000,000円一括で経費として計上する方が税金対策になると言う場合があるようです。
ただ「有姿除却」は税務調査の対象になりがちです。
なので基本再使用は出来ません。
どうしても売却等したい場合は税理士がこのような仕訳を計上します。
借方:建物5,000,000/貸方:前期損益修正益5,000,000
もちろんこの分の税金は支払わなくてはなりませんが、
5,000,000円より高値で売れれば損だけは免れます。
「有姿除却」は税理士がプロです。
税理士に相談して判断してもらいましょう。
慎重に行わないと税務調査の際多額の税金を持って行かれる恐れもあります。
「有姿除却」は大きな税金対策ですがそれだけ税務署の監視が厳しいも現実の様です。
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