「相続税」の知識を簡単にご紹介!⑧
遺産を相続したときに課税される相続税は高額になるイメージが強く、いったいどれぐらいかかるのか不安に思われている人は多いのではないでしょうか。
しかし、相続税がどのような場合に課税されてどのように税額計算するかを理解すれば、相続税に対する漠然とした不安は軽減されるでしょう。
今回も前回に引き続き、相続税について簡単にご紹介いたします。
相続税の申告・納税の期限と方法
この記事では、相続税の申告・納税の期限と方法についてご紹介致します。次の2つがポイントとなります。
▶︎相続税の申告・納税の期限は相続開始から10か月以内
▶︎原則として現金で一括納付する
相続税の申告・納税は相続の開始から10か月以内に!
相続税の申告と納税は、相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10か月以内にしなければなりません。
相続税の申告は原則として、相続人どうしで遺産分割が終わってから行います。遺産分けをめぐる話し合い(遺産分割協議)がまとまらなければ、10か月の期限はすぐにやってきてしまいます。遺産分割協議と相続税の申告手続きはできるだけ早く始めることが重要となります。
ただしケースによっては相続税の申告期限である10か月以内で分け方が決まらないケースもあります。その場合であっても税務署に相続税申告書を提出して相続税を納付することが必要となります。
これを未分割での相続税申告といいます。方法としては、いったん法定相続割合で分割したと仮定して、相続税を仮納付します。そして相続税の申告期限から3年以内に分割方法が確定した時点で、修正申告を行います。この修正申告の際に当初の仮申告で相続税を払い過ぎている人には還付、不足している場合には追加納付を行います。
なお未分割での相続税申告の注意点としては、仮申告の段階では小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減の特例が適用できないことです。あとで分割が確定して修正申告をする際には適用ができますが、いったん当初申告では適用を受けられないため相続税の額が大きくなることもあり注意が必要となります。
このようなことからなるべく相続税の申告期限である10か月以内に遺産分割を確定させることが重要です。
相続税の申告方法
相続税の申告は、遺産を相続した人がそれぞれ、被相続人の住所地を管轄する税務署に申告書を提出します。申告する人の住所地を管轄する税務署ではないので注意して下さい。通常、相続税申告書の作成は複雑で専門性が高いため税理士が作成します。申告する際には、相続税の申告書のほか次の書類を提出します。
・被相続人と相続人の関係がわかる戸籍謄本など
・遺言書または遺産分割協議書の写し
・遺産分割協議書に押印した印鑑の印鑑証明書
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