「相続税」の知識を簡単にご紹介! 12
遺産を相続したときに課税される相続税は高額になるイメージが強く、いったいどれぐらいかかるのか不安に思われている人は多いのではないでしょうか。
しかし、相続税がどのような場合に課税されてどのように税額計算するかを理解すれば、相続税に対する漠然とした不安は軽減されるでしょう。
今回も前回に引き続き、相続税について簡単にご紹介いたします。
【課税遺産総額を求める】
相続税の課税対象になる遺産の額は、課税価格から基礎控除額を差し引いた金額となります。この金額を課税遺産総額といいます。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。この事例では、法定相続人は妻、長男、次男の3人であり、基礎控除額は下記のとおり4,800万円となります。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人3人=4,800万円
課税遺産総額は、課税価格1億1,600万円から基礎控除額4,800万円を差し引いた6,800万円となります。
課税遺産総額=課税価格1億1,600万円-基礎控除額4,800万円=6,800万円
Aさんの遺産の相続税評価額は、自宅1億1,000万円、預貯金5,000万円、死亡保険金5,000万円で単純に合算すると2億1,000万円に上ります。
しかし、特例や非課税枠を適用し、債務・葬式費用・基礎控除額を控除することで、課税の対象になる遺産の金額は6,800万円まで低下します。
【相続税の総額の計算(1)課税遺産総額を法定相続分で按分する】
次に、課税遺産総額を法定相続分で按分して相続税の総額を計算します。
この事例では、課税遺産総額6,800万円を法定相続分で妻、長男、次男に按分します。法定相続分は妻1/2、長男1/4、次男1/4です。
妻:6,800万円×1/2=3,400万円
長男:6,800万円×1/4=1,700万円
次男:6,800万円×1/4=1,700万円
法定相続分は配偶者や子供の有無など家族構成によって異なります。
【相続税の総額の計算(2)各相続人の税額を求める】
按分した課税遺産総額に税率をかけて各相続人の税額を求めます。
この事例では、各相続人の税額は次のとおりになります。
妻:3,400万円×20%-200万円=480万円
長男:1,700万円×15%-50万円=205万円
次男:1,700万円×15%-50万円=205万円
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